残念な話ですが、私たちが神さまを信じても全てが良くなるわけではありません。自分の願った通りになるということはありません。「イエスさまを信じたら病気が癒されますよ。ビジネスが成功しますよ。家族が幸せになりますよ。」というこの世での繁栄を聖書が約束しているわけではないのです。クリスチャンでも失敗することはあるし、苦しむし、ひどい扱いを受けることもあります。それでも忘れてはいけないことは、主はいつも良いお方だということです。
私が神学生だった頃、飲食店でアルバイトをしながら生活していました。正直に言って、なかなかの苦学生でした。ある日、自転車に乗っていたら何の変哲もないカーブで滑って転んでしまいました。恥ずかしかったので慌てて起き上がろうとしましたが、うまく立てません。近所のおばちゃんに助けてもらい、ようやく起き上がりました。家に帰って見てみたら、足がはれ上がっています。骨折でした。足を骨折してしまうと大変です。何をするにも一苦労です。トイレにも自由に行けません。もちろんアルバイトもできません。さて、困りました。もともと貯金があまりなかったのに、収入がなくなり、治療費がかかる。お金がなくなってしまいました。完治するまで2ヶ月くらいだろうと言われていました。このままでは生きられません。なぜこんな悲惨な目にあうのだろうかと不満も湧いてきました。
ところが主なる神様は不思議なお方です。今も私は生きています。たくさんの方が助けの手を差し伸べてくださいました。ずーっと前に貸してすっかり忘れていたお金も帰ってきました。自分は何もできないのに、養われている。私たちは恵みで生かされているのだということを学びました。骨折は大きな苦難でしたが、今ではこれも主なる神様が与えてくださった恵みだと感謝しています。主なる神様が与えてくださる良いものを受け取って、その実を結んでいきたいものです。
主は必ず良いものをお与えになり/わたしたちの地は実りをもたらします。(詩編85:13)